建築CAD検定准1級に独学で挑み、合格しました。
この記事では、独学で使用した教材と、解き方の手順をご紹介します。
ネットを探しても、准1級の体験談って驚くほど少ないですよね。
自分の体験を残して、これから准1級を独学で受けようとしてる人の参考になれば嬉しいです。
建築CAD検定の勉強で使った参考書
建築CAD検定准1級を独学で受けるなら、まずは「公式ガイドブック」を買いましょう。
「公式ガイドブック」は解き方の手順や解法のコツが載っている、建築CAD検定の参考書です。
残念ながら、公式ガイドブックには1問しか過去問が載っていません。
独学者なら「過去問題集」も購入して、繰り返し問題を解きましょう。
建築CAD検定の公式サイトから購入できます。
参考:【建築CAD検定試験】AACL-(社)全国建築CAD連盟
「過去問題集」に載っている問題も2問のみ。
まだ物足りないと思います。
私はメルカリで古い年度の参考書を購入して、6回分の問題を解きました。
作図手順をマニュアル化する
准1級の合格基準はとても単純。
時間内に図面を完成させられれば合格、未完成なら不合格です。
いかに時短・効率化できるかが肝になってくるので、手順を決めてマニュアル化し、頭と手に叩き込みました。
准1級では4枚の図面をトレースします。
どの図面から取り掛かるか、作図の順番も自己流で決めました。
- 断面図
- 配置図・1階平面図
- 2階平面図
- 基準階平面図
断面図から始めて、平面図は1階から順番に描いていきます。
梁伏図が出た場合は、1階平面図の前に梁伏図を描くと、コピーできる箇所が増えて時短に繋がりました。
- 断面図
- 梁伏図
- 配置図・1階平面図
- 基準階平面図
勉強しているうちに、自分の描きやすい順番が決まってくると思います。
合格圏内かどうかの手ごたえは自分でよくわかりますし、他の試験や級のように「合格したかどうか発表までドキドキ」ということは少なくていいですよね。
過去問が時間内に解けるようになれば、あとは本番にその実力を出すのみです。
関連記事>>本番であがらないための練習方法!強いメンタルは作れる
作図順を1枚ずつ解説していきます。
断面図の作図手順
私は毎回、まず断面図から描きはじめると決めていました。
断面図が一番苦手だったからです。
平面図は同じ視点を3枚描くのに比べて、断面図は視点が急に代わります。
コピペできる箇所もほとんどありません。
断面図を最後に残して、時間が足りなかったときのプレッシャーを思うと、先に仕上げてしまったほうがいいと考えました。
- 図面枠・名前・題名を書いて保存。ほかの図面にコピーする。
- 通り芯、補助線を引く
- 寸法を記入
- 文字、室名記入
- 外構を描く
- レベルの線を床の線に変える
- 梁を描く
- 壁・床・屋根・バルコニーなど躯体を描く
- 開口を切る
- 包絡
- 天井と床スラブを描く
- 窓・ドアの建具を描く
- 室内の寸法を入れる
断面図はこんな順序で作図しました。
躯体を書き終えてから寸法や文字を記入するほうが普通かもしれませんが、寸法・室名を先に記入することで早い段階で間違いに気づけるというメリットがあります。
JW_cadで受験したので、包絡は一気に行えました。
仕事ではAutocadを使うのですが「包絡機能あればいいのになー」と思うことも多いです。
梁伏図の作図手順
過去問を見ると、平面図には2パターンがありました。
伏図なし | 断面図 | 1階平面図 | 2階平面図 | 基準階平面図 |
---|---|---|---|---|
伏図あり | 断面図 | 1階平面図 | 2階平面図 | 梁伏図 |
梁伏図があれば、1階平面図よりも先に描きます。
そのほうが、他の平面図へコピーできる箇所が多い気がしました。
- 通り芯を描く
- 柱を並べる
- 梁を描く
- 保存してコピー
- 寸法を入れる
- その他の細かい部分を整える
「通り心・柱・共通の部分、コピーできる部品」を描いたら一旦保存して、図面をコピーします。
コピーした図面は他2枚の平面図として使用しました。
1階平面図の作図手順
梁伏図がないときは、断面図の次に1階平面図を描きます。
時間のかかるものから片づけたいという理由です。
1階平面図には外構がついているので、2階以上の平面図よりも時間がかかります。
- 通り芯を描く
- 柱を並べる
- 階段、EV、トイレなど共通部を描く
- 窓・ドア・200㎜の線を描く
- 保存してコピー
- 寸法を入れる
- 壁芯など補助線を描く
- 室名を入れる
- 壁を描く
- 窓、バルコニーを描く
- 細かい家具を描く
- 外構を描く
「公式ガイドブック」には、覚えておくといい部品の寸法が載っています。
例えばトイレの便器だったり、駐車場だったり、エレベーターだったり。
試験中は細かいところまで測る時間がないので、自分なりの基準があると違ってくると思います。
公式ガイドブックに書いてある寸法は、丸暗記してそのとおりに描きまhした。
2階・基準階の平面図を描く
1階と同じく、基本は補助線→寸法→太線のもの→細線のもの、の順で描きます。
- コピーした図面のタイトルを直す
- 余分な柱を消す
- 壁心、補助線を足す
- 寸法を入れる
- 室名を記入する
- 躯体線を描く
- 建具を描く
- 家具など細かいところを仕上げる
なるべく線を引かずにコピペすることを意識しました。
窓やドアの軌跡のような小さな部品も、描くよりもコピペのほうが速いです。
細かいことですが、小さな積み重ねが時短に繋がります。
見直しもマニュアル化
過去問を解いたときに、忘れやすい箇所をメモしておきました。
- 題名、右下の名前、ファイル名は間違ってないか
- 室名など文字に漏れがないか
- 寸法線がずれていないか
- バルコニー、屋根、庇、ベランダの隔て板を忘れてないか
- 椅子、ロッカーなど小物の数は合っているか
- 断面図の梁は足りているか
ミスをしやすい場所は人それぞれ違うので、がむしゃらに問題を解くだけではなく、1回ごとに自己採点しながら進むと身に付きやすいです。
当日もメモを見ながら確認するつもりでしたが、残念ながら時間がまったくなく見直しはできませんでした。
図面を読むポイントも決めておく
図面を読む時間は30分しかありません。
手戻りは致命傷になりかねないので、あらかじめどこを確認するかポイントを決めました。
- 柱の数を数えながらマーカーを塗る
- 階段の段数を数える、階段の幅をチェック
- 壁が芯振り分けなのか、面合わせなのかを確認
- 開口部に「大」「小」を書きこむ
- ほかの図面と共通の部品があればメモ
- 【断面図】梁の寸法を測り、種類ごとに塗る
- 【断面図】梁のよりをチェック
- 【断面図】断面図の開口の寸法を測る
- 【断面図】FLと床がずれてないか確認する
- 平面図の壁の寸法を測る
- 家具などの寸法を測る
CADを触りだしたらスケールは一度も持たなくていいように、時間の許す限りあらゆるところを測りました。
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おわりに
准1級は、合格レベルにいるかどうか自分で分かる試験です。
勉強というよりは、訓練・練習というイメージで試験対策をすると、モチベーションを保ちやすかったです。
無心で手を動かせるように、まずは自分なりの手順をマニュアル化してみてください。
あとはひたすら練習あるのみです。
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