建築CAD検定准1級に独学で合格③

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建築CAD検定准1級に独学で合格③

 

建築CAD検定准1級に独学で挑み、合格しました。

この記事では、約半年間どのように勉強したかをご紹介します。

 

ネットを探しても、准1級の体験談って驚くほど少ないですよね。

自分の体験を残して、これから准1級を独学で受けようとしてる人の参考になれば嬉しいです。

 

 

試行錯誤しながらの独学

准1級を受けるために勉強した期間は、約半年です。

4月の試験で2級に合格し、それから10月の試験に向けて勉強を始めました。

 

やる気のある日は一日に5,6時間、忙しい日はまったくCADを触らないこともありました。

平均すると週に20~30時間ほどを勉強に充てていたと思います。

 

最初は何時間かけても過去問のトレースができませんでした。

 

公式ガイドブックのうち、准1級のページのほとんどが時短テクニックです。

 

何から取り掛かればいいのか、どこから始めればいいのか。

製図の基礎知識がなく、途方に暮れました。

 

独学はどうしても試行錯誤になりますね。

最短で確実に合格したかったら、スクールに通ったほうが近道だと思います。

関連記事>>資格試験は独学? スクール? おすすめの勉強方法と向いている人

 

まずは1枚描いてみる

分からなくても何でも、やらなければ上達しません。

がむしゃらにトレースから始めました。

 

初めて描いた図面は、1枚完成させるのに10時間くらいかかりました。

 

このペースだと4枚すべて完成させるには40時間。

ひどすぎて眩暈がしますね。

 

でも、2枚目は飛躍的に早くなっているはずなので、心配無用です。

 

■作図手順■
  1. 通り芯・柱
  2. 文字
  3. 建具・開口部・設備
  4. 外構

 

こんな手順で1階平面図を勉強していきました。

まずは1枚、最後まで完成させてみましょう。

 

通り芯と柱を描く

まず細かいところは無視して、通り芯と柱だけは描けるようにしました。

柱の寸法は問題文に書かれているので、迷わずに描けます。

 

壁を描く

寸法が明記されている壁を描きます。

壁厚も問題文の指示どおりに描けるので迷いません。

 

寸法指示のない壁は、ひとつずつ測りながら描きました。

 

文字を書く

部屋が区切れたので、室名等の文字を書き込みました。

 

寸法や壁の位置が違っていたときに気づきやすいので、早めに文字を記入する方法が好きです。

 

建具・開口部・設備を描く

壁に取り付くドアや窓、開口部を抜いていきます。

大きさはまるで見当がつかなかったので、ひとつずつ丁寧に測っていきました。

 

建物ができたら、椅子やテーブル、トイレ、エレベーターなど、細線で表現する設備や家具も測りながら描きました。

 

外構を描く

建物の中ができたので、外を描いていきます。

1階の外構を描くのは、建物の中と同じくらいの時間がかかりました。

 

慣れて目測できるようになるまで、ひとつひとつ測って埋めていきます。

 

製図の時短

ようやく1枚、図面が完成しました。

何事も0から1にするのが一番難しいところです。

 

1枚目は10時間かかりましたが、2枚目は7時間くらい、3枚目は5時間で完成しました。

 

■効率的に製図する■
  • 公式ガイドブックに載っている寸法を覚える
  • 文字等の大きさを決める
  • コピペを駆使する
  • 印刷設定をする

 

1回トレースするごとに、効率化と時短を考えながら作図していきます。

 

公式ガイドブックに載っている寸法を覚える

独学者が頼れる参考書は『公式ガイドブック』1冊だけ。

書かれている寸法は丸暗記しました。

 

 

根拠も含めて親切に解説されています。

非常に勉強になりました。

 

ちなみに試験中にはガイドブックの持ち込み可なので、暗記しなくてもOKです。

でも、たぶん覚えないと時間が足りないと思います。

 

文字等の大きさを決める

公式ガイドブックに載っていなかった寸法は、自分で測って決めました。

例えばこんな具合です。

 

■文字や記号の大きさを決める■
  • 文字 ⇒ 2.5mm
  • 寸法文字 ⇒ 2mm
  • 題名文字 ⇒ 5mm
  • 敷地境界線の四隅の丸 ⇒ 半径150
  • レベル記号の三角形 ⇒ 一辺500の三角形
  • 階段の矢印 ⇒ 長さ2・角度30・寸法5(JW_cadの設定)

 

文字や記号の大きさには指定がないので、自分なりに決めてしまうと楽です。

 

コピペを駆使する

寸法を覚えて、何も見ずに細かい部分が描けるようになったら勉強は終わり。

あとは勉強というよりも訓練です。

 

何度も何度も、6年分の過去問を描きまくりました。

やりすぎて夢の中でもCADを操作していたくらいです。

 

細かい時短の積み重ねで、最終的には2時間半~3時間ほどで図面がかけるように訓練しました。

 

印刷設定をする

図面を書くことに集中しがちですが、提出はPDF。

印刷設定を忘れると図面を完成させられないので、初期の頃に設定しておくと安心です。

 

公式ガイドブックに線種や線幅についての記載があるので、参考にしました。 

 

■線種と印刷設定■
  • 太線 ⇒ 25mm (柱、躯体など)
  • 中線 ⇒ 18mm (見え掛かりなど)
  • 細線 ⇒ 9mm (階段の段差など)
  • 極細線 ⇒ 5mm (階段の方向線、切断線、寸法線、ハッチングなど)

 

試験の評価は印刷した図面で行われます。

レイヤをどう分けるとかよりも、印刷したときにどう見えるかが大事です。

 

まとめ

建築CAD検定の准1級は、きちんと準備すれば独学でも合格できます。

2級を合格したレベルの人なら、半年の勉強期間で十分間に合うでしょう。

 

手が速く動くことはもちろん、瞬時に「コピペできるな」と頭を回転させることも必要です。

 

毎年似たような寸法の物体が出るので、細かい寸法を自分で決めてしまうことも大切。

何度も繰り返し訓練することで、確実に毎回完成までのスピードは縮まっていくはずです。

 

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