建築CAD検定准1級に独学で挑み、合格しました。
この記事では、約半年間どのように勉強したかをご紹介します。
ネットを探しても、准1級の体験談って驚くほど少ないですよね。
自分の体験を残して、これから准1級を独学で受けようとしてる人の参考になれば嬉しいです。
試行錯誤しながらの独学
准1級を受けるために勉強した期間は、約半年です。
4月の試験で2級に合格し、それから10月の試験に向けて勉強を始めました。
やる気のある日は一日に5,6時間、忙しい日はまったくCADを触らないこともありました。
平均すると週に20~30時間ほどを勉強に充てていたと思います。
最初は何時間かけても過去問のトレースができませんでした。
公式ガイドブックのうち、准1級のページのほとんどが時短テクニックです。
何から取り掛かればいいのか、どこから始めればいいのか。
製図の基礎知識がなく、途方に暮れました。
独学はどうしても試行錯誤になりますね。
最短で確実に合格したかったら、スクールに通ったほうが近道だと思います。
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まずは1枚描いてみる
分からなくても何でも、やらなければ上達しません。
がむしゃらにトレースから始めました。
初めて描いた図面は、1枚完成させるのに10時間くらいかかりました。
このペースだと4枚すべて完成させるには40時間。
ひどすぎて眩暈がしますね。
でも、2枚目は飛躍的に早くなっているはずなので、心配無用です。
- 通り芯・柱
- 壁
- 文字
- 建具・開口部・設備
- 外構
こんな手順で1階平面図を勉強していきました。
まずは1枚、最後まで完成させてみましょう。
通り芯と柱を描く
まず細かいところは無視して、通り芯と柱だけは描けるようにしました。
柱の寸法は問題文に書かれているので、迷わずに描けます。
壁を描く
寸法が明記されている壁を描きます。
壁厚も問題文の指示どおりに描けるので迷いません。
寸法指示のない壁は、ひとつずつ測りながら描きました。
文字を書く
部屋が区切れたので、室名等の文字を書き込みました。
寸法や壁の位置が違っていたときに気づきやすいので、早めに文字を記入する方法が好きです。
建具・開口部・設備を描く
壁に取り付くドアや窓、開口部を抜いていきます。
大きさはまるで見当がつかなかったので、ひとつずつ丁寧に測っていきました。
建物ができたら、椅子やテーブル、トイレ、エレベーターなど、細線で表現する設備や家具も測りながら描きました。
外構を描く
建物の中ができたので、外を描いていきます。
1階の外構を描くのは、建物の中と同じくらいの時間がかかりました。
慣れて目測できるようになるまで、ひとつひとつ測って埋めていきます。
製図の時短
ようやく1枚、図面が完成しました。
何事も0から1にするのが一番難しいところです。
1枚目は10時間かかりましたが、2枚目は7時間くらい、3枚目は5時間で完成しました。
- 公式ガイドブックに載っている寸法を覚える
- 文字等の大きさを決める
- コピペを駆使する
- 印刷設定をする
1回トレースするごとに、効率化と時短を考えながら作図していきます。
公式ガイドブックに載っている寸法を覚える
独学者が頼れる参考書は『公式ガイドブック』1冊だけ。
書かれている寸法は丸暗記しました。
根拠も含めて親切に解説されています。
非常に勉強になりました。
ちなみに試験中にはガイドブックの持ち込み可なので、暗記しなくてもOKです。
でも、たぶん覚えないと時間が足りないと思います。
文字等の大きさを決める
公式ガイドブックに載っていなかった寸法は、自分で測って決めました。
例えばこんな具合です。
- 文字 ⇒ 2.5mm
- 寸法文字 ⇒ 2mm
- 題名文字 ⇒ 5mm
- 敷地境界線の四隅の丸 ⇒ 半径150
- レベル記号の三角形 ⇒ 一辺500の三角形
- 階段の矢印 ⇒ 長さ2・角度30・寸法5(JW_cadの設定)
文字や記号の大きさには指定がないので、自分なりに決めてしまうと楽です。
コピペを駆使する
寸法を覚えて、何も見ずに細かい部分が描けるようになったら勉強は終わり。
あとは勉強というよりも訓練です。
何度も何度も、6年分の過去問を描きまくりました。
やりすぎて夢の中でもCADを操作していたくらいです。
細かい時短の積み重ねで、最終的には2時間半~3時間ほどで図面がかけるように訓練しました。
印刷設定をする
図面を書くことに集中しがちですが、提出はPDF。
印刷設定を忘れると図面を完成させられないので、初期の頃に設定しておくと安心です。
公式ガイドブックに線種や線幅についての記載があるので、参考にしました。
- 太線 ⇒ 25mm (柱、躯体など)
- 中線 ⇒ 18mm (見え掛かりなど)
- 細線 ⇒ 9mm (階段の段差など)
- 極細線 ⇒ 5mm (階段の方向線、切断線、寸法線、ハッチングなど)
試験の評価は印刷した図面で行われます。
レイヤをどう分けるとかよりも、印刷したときにどう見えるかが大事です。
まとめ
建築CAD検定の准1級は、きちんと準備すれば独学でも合格できます。
2級を合格したレベルの人なら、半年の勉強期間で十分間に合うでしょう。
手が速く動くことはもちろん、瞬時に「コピペできるな」と頭を回転させることも必要です。
毎年似たような寸法の物体が出るので、細かい寸法を自分で決めてしまうことも大切。
何度も繰り返し訓練することで、確実に毎回完成までのスピードは縮まっていくはずです。
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