この記事では、未経験からCADオペレーターになった経験をご紹介します。
CADオペレーターに転職して早5年、今も建設業界で働いています。
転職エージェントで「スキルがあったほうが将来困らないよ」と勧められました。
異業種からの未経験転職でしたが、意外と長く続けられています。
これからCADオペレーターになろうと考えている人の参考になれば幸いです。
未経験からCADオペレーターになれるか?
結論から言えば、未経験からCADオペレーターになることは可能です。
Indeedのような、求人サイトを覗いてみてください。
「未経験可」の求人がたくさんあります。
CADを触ったことがなくても大丈夫。
研修をして、育ててくれる企業があります。
私は最初CADを「キャド」と読めないレベルでしたが、会社の研修で基本操作は十分学べました。
CADオペレーターの仕事内容
私は、CADオペレーターの仕事は2つだと思っています。
「清書」 と 「通訳」
設計者が頭の中でイメージした建物を、目に見える形にするのが、CADオペレーターの仕事です。
ラフなスケッチを「清書」して、誰にでも分かる図面に書き起こす。
実際に工事をする職人たちに伝わる図面へと「通訳」する。
この「設計者が言いたいことを汲み取る能力」が、CADオペレーターに求められる一番のスキルだと思います。
CAD操作自体は覚えられる
CADの使い方だけなら、比較的すぐに覚えられます。
本を読みながら勉強もできますし、YouTubeで丁寧に解説してくれる操作方法の動画もたくさん見つかります。
もちろん今でも「こんなコマンドがあったのか!?」と発見の日々ですが、
1年も使っていれば、実務で使えるレベルにはなるでしょう。
CADだけ使えても仕事はない
難しいのは「何を書けば良いのか」です。
建築や図面に関する知識がないと、今自分が何を書いているのかが分かりません。
関連記事>>素人CADオペが知らなかった建築図面の常識4選
指示書を見ても、最初は意味不明でした。
どうして線が2本あるの?
この線は他より細くしたいの?太いの?
この円は半径いくつで書けば良いの?
指示の意味が分からないと、CADソフトが使えても仕事にならないのです。
CADオペレーターを続けられる人
建築に関する知識がある人
周りにはこんな人がいます。
- 前職は違うけど、大学は建築系だった
- 父が建築系の職人で、建設業が身近にあった
- CADは触ってなかったけど、建設現場の作業員だった
完全に畑違いのところから転職してくる人よりも、多少業界のことを知ってる人が多かったです。
とはいえ、ゼロから始めてもなんとかなっていますのでご安心を。
指示の意味が分からなくても、都度聞いたり調べたりしながら、少しずつレベルアップしていけば大丈夫です。
基礎から教えてくれる本もあります。
この本は絵が豊富で分かりやすかったです。
分からないことを質問できる人
皆が当たり前に知ってる「常識」も、知らないのだから仕方ありません。
RCって何の略ですか?
通り芯と壁芯って違うものですか?
「矩計図」の読み方が分かりません!
実際、私はこんなレベルのことを毎日のように質問していました。
周囲の話を聞いても、活躍しているなと思う人は自分からどんどん質問しているような気がします。
知ったかぶりせずに素直に聞ける人は、CADオペレーターに向いていると思います。
質問すると機嫌が悪くなるとか、細かく教えてくれない職場なら、あまりいる意味はないかもしれません。
さっさと次の職場に行きましょう。
CADオペレーターの給与
CADオペレーターは、ほとんどが派遣社員です。
求人情報を見ても、正社員の募集はほぼありません。
さらに未経験でもOKの仕事は、時給が安いです。
私の一番最初の収入は、手取りで月16万くらいでした。
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派遣社員のメリット
正社員になったほうが安定するし、社会人として信用も得られますよね。
でも派遣社員にもメリットがあります。
- 合わない職場を気軽にやめられる
- ゼネコンから施工図請負の小さな会社まで、色々な会社の業務を経験できる
- 交渉次第で、ベースアップを待たずに収入アップできる
- 時間の自由が利く
短期的にスキルを身につけるには、正社員よりも派遣社員のほうが向いてるんじゃないかと考えています。
一生派遣社員のままでいるかどうかは考え中です。
収入アップのために
派遣社員にはベースアップがないので、単価交渉や派遣先変更で収入を上げていくしかありません。
給与を上げるには実績をアピールしなければならず、実績をアピールするためには、スキルを上げて経験を積む必要があります。
スキルアップ
↓
経験を積む
↓
実績アピール
↓
単価交渉 or 派遣先を変えて収入アップ
資格の勉強もおすすめです。
やってみると体系的に学べるし、基本過ぎて誰も教えてくれなかった言葉を覚えることができます。
関連記事>>建築CADオペレーターが取りやすい資格は?実務で役に立つ?
スペシャリストになれれば、時給3,000円くらいのお仕事もあるみたいです。
CADオペレーターの職場環境
大きい現場が多い
CADオペレーターという職種柄、ある程度大きな会社に派遣されることが多いです。
周囲の話を聞くと、派遣先は大規模な工事の現場事務所や建設会社の本社が多いです。
女性が多い・若い人が多い
CADオペレーターは、圧倒的に女性が多いです。
感覚的には8:2くらいでしょうか。
9:1くらいかもしれません。
とはいえ、一緒に働く建築士や施工管理技士の人は男性ばかりです。
同じCADオペがいるかいないかで、職場環境は全然違うと思います。
年齢層は、比較的若い20~30代が多いです。
これから年齢を重ねてもCADオペを続けられるのか不安もあります。
在宅勤務ができる
会社によりますが、CADオペレーターは在宅勤務のできる職種です。
人と会いたくない人には向いていると思います。
関連記事>>HSPの幸せは在宅勤務にあった! PCだけでできる仕事がおすすめ
(2024年3月追記)
2024年現在、リモートワークから出社に戻す動きが加速しているそうです。
複数の派遣会社から、業界全体の傾向として教わりました。
完全在宅勤務を希望していましたが、残念ながら週1出社の仕事しかありませんでした。
少ないながら求人自体はあるので、応募し続けるしかないです。
コミュニケーションよりも一人時間が多い
「オペレーター = 機械を操作する人」という意味ですが、CADオペレーターはCADというソフトを操作できる人。
設計者とのやりとりや打ち合わせ会議は、もちろんあります。
それでも、個人で手を動かす時間のほうが長いです。
チームで仕事をするより、個人で黙々とやりたい気質の人には向いていると思います。
転職先を探す方法
私は転職エージェントに勧められて、CADオペレーターという職業を知りました。
ハタラクティブにお世話になったのですが、履歴書の添削や面談の練習とかもしてくれました。
自分にはろくなスキルもないと思っていたので、「フリーターでもサポートOK」という敷居の低さはありがたかったです。
人に話すと考えがまとまります。
転職するかどうか迷っているときに転職エージェントに相談だけするのも良いと思います。
私は働きはじめて数年たった時に、dodaとリクルートエージェントに話を聞きました。
関連記事>>不妊治療中の転職を転職エージェントに相談してみました
結局は派遣のまま働いていますが、挑戦はしてみてよかったです。
まとめ
未経験からCADオペレーターになりたい人向けに、実際5年間働いてみて感じることをご紹介しました。
未経験でもCADオペレーターにはなれますが、継続するにはスキルアップが必須です。
自分から動けばもっと良い待遇の職場へ、と転職を繰り返せるのが派遣社員の良いところ。
思い切って飛び込んでみてください。