この記事では、IMSLPの使い方と使いどころをご紹介します。
IMSLPは、著作権の切れた楽譜を無料で公開してくれているサイトです。
オンラインの楽譜図書館といったところですね。
自宅から気軽に楽譜にアクセスできる、便利なツールです。
IMSLPの概要
IMSLPは「International Music Score Library Project (国際楽譜図書館事業) 」の略です。
別名、ペトルッチ楽譜ライブラリーと言います。
参考:メインページ - IMSLP: Free Sheet Music PDF Download
所蔵曲は膨大で、とてもすべてを把握しきれません。
2021年11月14日現在、なんと191,000曲が所蔵されているそうです。
自分で弾くだけなら、IMSLPでダウンロードした楽譜を印刷しても合法です。
有料の演奏会で弾くとか、商用利用したいときは著作権についてしっかり確認しましょう。
著作権に関してはこのあたりをお読みください。
目安として、日本での著作権は死後70年です。
参考:IMSLP:よくある質問とその答え - IMSLP: Free Sheet Music PDF Download
参考:パブリックドメイン - IMSLP: Free Sheet Music PDF Download
IMSLPで曲を検索する方法
IMSLPの所蔵曲は膨大なので、端から見ていたらお目当ての曲にいつまで経っても辿りつけません。
- 欲しい曲が決まっている ⇒ 曲名を検索して探す
- 特定の作曲家の曲を知りたい ⇒ 「人名」からたどる
- 楽器編成だけ決まってる ⇒ 「曲種や楽器編成」から探す
- どんな曲があるか広く知りたい ⇒ 「時代」や「国」からたどる
曲名が分かっている場合は、下の検索窓から。
ふんわりしている場合は、作曲家や国、時代からたどることもできます。
ニッチな編成でアンサンブルをしたいときは、楽器編成から探せるのも便利です。
特定の曲を検索するコツ
日本語で検索して出てこなくても、諦めるのはまだ早いです。
原語or英語で検索すると、ヒットすることも多いです。
曲名だと、表記ゆれや別名がある場合も多いですよね。
曲を指定したいときは、作品番号で検索するとヒットしやすいです。
それでもダメなら、作曲家のページから曲一覧をひたすら探すと見つかることも。
日本語だけで検索してなかった……と諦めずに、粘り強く探してみてください。
見つけたデータをダウンロードする
楽譜や演奏録音をダウンロードしたいときは、⇩マークかその右の青文字をクリックします。
画像はオペラ「椿姫」を検索した結果です。
上半分は演奏データ、下半分が楽譜です。
「Complete Score」なら全幕分の楽譜が、「Act Ⅰ」なら一幕だけの楽譜がダウンロードできます。
版が違う複数の楽譜がある場合もあります。
別のタブには、パート譜やアレンジ譜があります。
目的に応じて利用してみてください。
クリックすると著作権とかに関する注意書きが出てくるので、読んでからダウンロードボタンを押しましょう。
寄付を促すページになりますが、15秒くらい待つとそのままダウンロードできます。
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IMSLPはどう活用できる?
IMSLPはどんなときに使えば良いのでしょうか?
ピアノ専攻の私が、音大時代に使った用途はこんな感じです。
- オーケストラのスコアを見る
- 楽譜のミスプリを確認する
- アレンジ譜を探す
- 楽器編成だけ決まっていて、曲を探す
- 作曲家の自筆譜を見る
一番は友達とアンサンブルを組んだときに、よく使っていました。
あとは、楽譜ってミスプリが意外と多いんですよ。
「あれ?」と思ったときに、別の出版社から出ている楽譜はどうかな?と確認できるので嬉しいです。
アレンジ譜(オーケストラを弦楽四重奏とか、ピアノソロバージョンとか)も豊富なので、自分でアレンジしたい時の参考にも使えます。
さらに、作曲家の自筆譜も公開されていることがあります。
論文を書くときくらいしか使わなかったんですが、自筆譜なんて購入できるものでも原本を見られるものでもない(だいたい海外にある)ので、便利ですね。
楽譜の図書館ならリアルもおすすめ
IMSLPは大変便利なサイトで重宝します。
でも大量の資料を見たいときは、PDFよりも紙で見たくなりませんか。
「楽譜はやはり紙でないと」という人も多いと思います。
私も未だにピアノを弾くときは、紙の楽譜じゃないとなんとなく調子が出ません。
もう少しすれば、タブレット使用が当たり前になるんですかね。
紙で楽譜を確認したいときは、図書館が一番です。
イチオシは上野の駅前にある音楽資料室。
楽譜や書籍、DVD、CDなど音楽の資料が大量にそろう音楽専門の図書館です。
曲の雰囲気をつかみたいけど楽譜だけだとよく分からないとか、レポートを書くための資料探しとか、単純にオペラを鑑賞したいとか。
いつ行ってもそこそこ人がいて、老若男女いろいろな人が自分の時間を過ごしているイメージです。
まとめ
IMSLPの使い方、活用方法をご紹介しました。
使い方に癖はありますが、一度覚えてしまえば自宅から気軽に楽譜にアクセスできる便利なツールです。
是非一度覗いてみてください。