一生懸命に練習しているはずなのに、どうしてもミスタッチが減らない。
同じように悩んでいる人のために、大人になって発見した「コツ」をお伝えします。
ゆっくり練習してみたり、どの音がミスしやすいのかデータを取ってみたり。
分からないなりに模索していましたが、劇的な効果はありませんでした。
ミスタッチをなくすには、考え方を変えなければなりません。
指ではなく耳で正しい位置を覚えましょう。
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ピアノのミスタッチをなくすたった1つのコツ
どうしてミスタッチが起こるのでしょうか。
答えは簡単。
間違って違う鍵盤を押してしまうからです。
隣の鍵盤との間を弾いてしまって、音がふたつ出てしまったり、しっかり鍵盤を押せずに音がかすれて鳴らなかったりすることもありますね。
そんなミスをなくすためのコツは「鍵盤を真上から押す」ことです。
速い曲になると、移動先の鍵盤をとらえられないまま鍵盤を押してしまうことがあります。
指が急いでしまって、弾いた気になってしまうんですよね。
これでは弾けているとは言えません。
仮にミスタッチがなかったとしても、深い音色や音の「粒」を聞かせるのは難しいでしょう。
真上から押すなんて分かってるよ!
簡単にできれば苦労しない!
そう思うかもしれません。
過去の私もそう思っていました。
自分では一生懸命に練習して、正しい場所を指に覚えさせようとしているつもりなんです。
では鍵盤を正しい位置から押すために、どういう練習をすればいいのか、ご紹介します。
ピアノのミスタッチ減らすための練習方法
ゆっくり実践していきましょう。
大切なポイントは、頭を使うことです。
「急がば回れ」と百回唱えましょう。
ある程度の上級者になってもミスタッチが多い人は、根本的に弾き方を変える気で練習します。
スポーツのフォームを変えるのと似ているかもしれません。
かなり大変で、ストレスフルです。
今まで弾けていたはずの曲が、弾き方を変えたせいで弾けなくなることもあると思います。
それでも一度フォームを正せれば、そのあとがかなり楽になりますよ。
- 鍵盤の距離を覚える
- 移動距離を指に覚えさせる
- どの指でキーを押すか決める
- 常に最短距離で移動する
- 移動してからタッチする
鍵盤の距離を覚える
まずは鍵盤の距離間を「指で」覚えること。
「何を当たり前なことを」と思うかもしれません。
あなたの指は本当に、鍵盤の位置を覚えているでしょうか?
空中でオクターブを作ってみてください。
そのまま指を鍵盤に当てたとき、あなたの指はぴったりオクターブですか?
鍵盤の端にかかっているようではダメです。
ぴったり鍵盤の重心に、指の中心が乗っていますか?
和音はどうでしょうか。
同じく空中で「ドミソド」の和音の形に手を開いてください。
そのまま指は1ミリも動かさずに、鍵盤に乗せてみましょう。
正確にそれぞれの鍵盤の良い位置を押せましたか?
黒鍵が含まれる和音はどうでしょうか?
もしも「ズレ」が生じていたなら要注意です。
白鍵の幅は約23mm、黒鍵は約11mm。
多少の誤差があっても音は鳴ってしまいます。
しっかり目と耳で判別しながら練習しましょう。
鍵盤の距離の感覚を指が覚えるまで、反復訓練です。
移動距離を指に覚えさせる
ひとつの和音やオクターブを指が覚えたら、動いている最中でも同じことができるように訓練しましょう。
いつもの曲を練習するときに、少しゆっくり弾いてみてください。
少し簡単な曲でチャレンジしても良いかもしれません。
すべての音が、鍵盤の真ん中を押せているでしょうか?
簡単な例として、右手でハ長調のスケールを弾いてみてください。
「ファ」の時に1の指がくぐりますよね?
1の指は今、鍵盤の理想的な場所にありますか?
鍵盤のどこを弾くと良い音が出るのかは、究極は人それぞれです。
簡単な曲から、目をつぶっても正確な位置に指が移動できるように覚えこませましょう。
指番号を決める
ピアニストの使う楽譜には、指番号の書きこみがたくさんあります。
弾くたびに違う指使いをしていては、いつまでたっても弾けるようになりません。
「この部分はこの指で弾く」と決めたら、楽譜に書きこんでいつも同じ指で弾けるように練習しましょう。
色々な曲で繰り返すうちに、自分なりの法則が見つかるはずです。
例えば、一般的にはオクターブは1と5の指で弾きますよね。
黒鍵が入ると4の指を使う人も多いかもしれません。
私は小指が極端に短いので、白鍵同士でも1と4の指で弾いたほうが良い音が出せます。
手の大きさも指の長さも、人それぞれ違います。
基本を知った上で、自分に合うように「頭を使ってカスタマイズする」のも大事です。
常に最短距離で移動する
離れた音を弾くときに、腕が「飛んで」いませんか?
大きなカーブを描くのは無駄な動作です。
可能な限り低空飛行で、鍵盤すれすれのところを横移動させましょう。
音色を変えたいなど理由があって、上から叩く例外ももちろんありますが、基本は横移動のみです。
基本をマスターすれば、応用も効果的にできるようになるはずです。
移動してから鍵盤を押す
個人的に最も重要だと思うのが、「移動しながら鍵盤をタッチしないこと」です。
ピアノの上手な人は必ず「次のポジションに移動させて、停止してから鍵盤を押す」ということを徹底しています。
どんなに速い曲でも、移動中に鍵盤を弾くことはありません。
例外はグリッサンドくらいです。
移動しながら鍵盤を鳴らしてしまうと、斜めから鍵盤を押したり、鍵盤の端を押してしまうことになります。
鍵盤を真上から弾くという大原則を守りましょう。
常に「手の移動と弾く動作を分ける」工夫が大事です。
和声学を学ぶ必要性
ミスタッチをしない、そしてミスタッチをしたときに「気持ち悪い」と感じるために、和声を学ぶと便利です。
天性の耳の良さで、和声が分かる人もいるみたいです。
残念ながら私は分からなかったので、勉強して頭で聞くようにしました。
例えば、「ドミソド」と「ドファラド」は同じ和音に聞こえるでしょうか?
もし聞き分けができないなら大問題です。
ミスタッチをしても自分では気づけないからです。
関連記事>>ピアノ曲の仕上げ方!7つのチェックポイント
和声が分かるようになると、耳が育ちます。
Ⅴ→Ⅰで終止すると分かっていながら聞き続けると、そのうちⅤ→Ⅰが鳴ったとき「あ、D→Tの感じがする」と聞こえてくるようになるはずです。
不協和音が続くと気持ち悪いですよね?
時代によって不協和音の定義は違います。
例えばモーツァルトの和音は、当時としては革命的でしたが、今の私たちには普通の心地良い和声として聞こえてきます。
ポップスでは終止音に13thが入るのも当たり前ですが、古典音楽でやったらミスタッチか?と感じてしまいます。
(もちろん古典だから13thを使った曲がないというわけではありませんが)
楽典や和声学、音楽史を学びましょう。
知識は必ず、演奏を磨きます。
まとめ
ピアノを弾くことは、ある意味スポーツと似ています。
基礎錬は筋トレと同じで、正しいフォームが大切。
指の柔軟性や筋肉も鍛えなければいけませんし、メンタルも知識も大事です。
ミスタッチをなくしたいなら、「すべての音を鍵盤の真上から弾ける」ように徹底してみてください。
和声の知識も大切です。
同時に耳も育てていきましょう。