ふるさと納税は、自分で申請しないと税金から控除されないのが玉に瑕。
申請の方法には「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2種類があります。
ワンストップ特例制度が簡単!と言われていますが、本当にそうでしょうか?
両方試した結果、ワンストップ特例制度よりも確定申告のほうが楽だと感じたので、ご紹介します。
やってみると意外と簡単な確定申告。
向き不向きはありますが、選択肢に入れてみてください。
ふるさと納税で節税できる
ふるさと納税は、今住んでいる市町村ではない、好きな自治体に寄付できる仕組みです。
ふるさと納税とは、生まれた故郷や応援したい自治体に寄付ができる制度です。
手続きをすると、寄付金のうち2,000円を超える部分については所得税の還付、住民税の控除が受けられます。
各自治体は、自分のところに寄付をしてもらうために返礼品を用意してアピールしているので、返礼品目的で寄付をしている人も多いのではないでしょうか。
私も毎年、楽天ふるさと納税で美味しい海鮮や日用品をいただいてます。
応援したい自治体に寄付ができて、お得な返礼品をもらえ、寄付金は税金から引いてもらえる。
使わない理由がないくらいお得な制度ですよね。
- 寄付する
- 還付手続きをする
- 寄付金が返ってくる!
さて、このふるさと納税は「寄付をした段階ではただの寄付」です。
お金を払って品物をもらっただけ。
払った寄付額分の税金を返してもらうために、還付手続きをしなければなりません。
そのための手続きが「ワンストップ特例制度」もしくは「確定申告」です。
ワンストップ特例制度のほうが簡単?
収入が給与だけのサラリーマンは、ワンストップ特例を勧められることが多いですよね。
本当にワンストップ特例のほうが簡単なのか、実際に両方試してみました。
ワンストップ特例制度とは
ワンストップ特例制度は、確定申告が面倒だという人のために作られた制度です。
簡単3ステップで手続きが完了します。
- 寄付をする
- 自治体から書類が送られてくる
- 必要事項を記入して返送する
寄付をすると、自治体から返礼品と書類が送られてきます。
その書類に、必要事項を記入して送り返せば還付手続は完了。
記入する必要事項も名前とマイナンバーを書くくらいです。
確かに簡単ですね。
自治体によっては書類が送られてこないところもあるようです。
その場合は、HPから書類をダウンロードして、自分で封筒に入れて自治体へ送ります。
ワンストップ特例制度を利用できる人
ワンストップ特例制度を利用できる人は、次の両方の条件を満たしていなければなりません。
- 年末調整をしていて、確定申告の必要がない
- 寄付先が5か所以下
確定申告をしない&寄付が5か所までが条件です。
個人事業主やフリーランスは、確定申告をするのでワンストップ特例制度を使えません。
会社をふたつ以上掛け持ちしている会社員も同様です。
普通のサラリーマンでも、医療費控除や住宅ローン控除を受けるときは同様に確定申告が必須になります。
ワンストップ特例制度がおすすめの人
ワンストップ特例制度をおすすめする人は、こんな人です。
- 書類を長く保管しておく自信がない人
- コピー機が自宅にある人
ワンストップ特例制度のメリットは、何といっても簡単なことです。
私は今までに10以上の自治体に寄付しましたが、すべての自治体が書類+返信用封筒を送ってくれました。
手間はほとんどかかりません。
自治体から送られてきた書類を、次の年まで保管しておく自信のない、ずぼらさんにもおすすめです。
確定申告は翌年の3月なので、うっかり失くしてしまいそうな人は、早めに申請を済ませておきましょう。
ただし、書類自体は自治体から送ってもらえますが、マイナンバーカードをコピーして添付しなければならないのです。
私は自宅にコピー機がないので、今年はふるさと納税をした4ヶ所分のコピーをしに、コンビニへ通いました。
たいした手間ではありませんが、コンビニへわざわざ行かなければならないのは面倒だなーと思ってしまいます。
実家には自宅にコピー機があったので、コピーを取って書類を記入して、投函まで30分もかかりませんでした。
家でコピーをとれる人は、自宅ですべての手続きを終わらせることができるので、ワンストップ特例制度に向いています。
ワンストップ特例制度をおすすめしない人
逆にワンストップ特例制度をおすすめできない人は、こんな人です。
- 家に糊がない
- 近くにポストがない
- 家から一歩も出たくない
- 1円でも節約したい
- 文字を書くよりも、スマホの操作のほうが楽
家に糊がないと、書類を入れて封ができません。
近所にポストがなかったり、家から出たくない人は、郵便物を投函するのにハードルが高いです。
また、コピーを取るのに多少のお金がかかります。
コンビニでは1枚10円かかりますし、家でコピーするにしてもインク代や紙代はかかります。
後述しますが、確定申告はスマホ1台で完了できます。
Wifiを繋げていれば、完全に無料で手続きができるんです。
さらに、私のようにペンで文字を書くよりもスマホの操作のほうが楽な人は、確定申告のほうが簡単だと感じるかもしれません。
ついつい書類を溜め込んでしまい、期限切れになってしまった!なんて経験のある人も多いのではないでしょうか。
そんな人には、次の確定申告がおすすめです。
確定申告は難しい?
確定申告は、サラリーマンだとあまり馴染みがないですよね。
知らないから難しいと思われがちですが、煩雑なのはフリーランスとか自営業の経費計算部分です。
会社で年末調整を終えたサラリーマンだったら、意外と簡単に確定申告できますよ。
また、ワンストップ特例制度が使えず、絶対に確定申告を選ばなければならない人がいます。
ふるさと納税以外で確定申告の必要がある人です。
確定申告をした場合、ワンストップ特例制度は使えません。
仮にワンストップ特例制度の書類を送っていても、確定申告をしたときにふるさと納税の箇所を省略した場合、書類はなかったことにされてしまいます。
税金から寄付額が控除されないので注意しましょう。
マイナンバーカードを持っていれば、確定申告は楽になる
確定申告をスマホ1台で済ませるには、 次の3つの条件が整っている必要があります。
まず、マイナンバーカードを持っていることが大前提です。
時間のあるときに作っておくと便利ですよ。
確定申告の際には、マイナンバーカードに設定した2種類の暗証番号が必要になります。
カードを作ったときに設定しているはずなのですが、あまり使う機会もなく忘れがちですよね。
数回間違えるとロックがかかってしまい、区役所に行かないとロックは外せません。
最後に、マイナンバーカードを読み取れるカードリーダー機能が付いたスマホを持っていることが必要です。
国税庁のサイト「マイナンバーカード読取対応のスマートフォンの一覧について」で対応スマホかどうかの確認ができます。
マイナンバーカード・暗証番号・リーダー付きスマホの、3つの要件を満たしていれば、スマホ1台で確定申告が完了します。
マイナンバーをコピーして、印鑑を探して書類を折って……
こういうちまちました作業が苦手な人っていますよね。
簡単ではあるのですが、なんとなく面倒で後回しにしてしまう人も多いと思います。
確定申告はやや複雑で難しいですが、手順通りにやっていけば理解できないほど難しくはありません。
会社員で年末調整が済んでいるなら、会社からもらった源泉徴収票の金額を写すだけなので、それほど構えなくても大丈夫。
事前準備は必要ですが、いったん揃えてしまえばどこでもできるので、楽に手続きできますよ。
(2021/9/25追記)
令和3年度から、確定申告がさらに簡単にできそうです。
国税庁によると、今まで各自治体から送られていた「寄附金の受領書」の代わりに、ふるさと納税サイトから「寄附金控除に関する証明書」をダウンロードして添付できるとのこと。
紙の証明書を年度末まで取っておく必要がなくなりましたし、たくさんの自治体に寄付しても1枚で済みます。
合計金額も簡単にわかるので、ぐっと申告が楽になりそうです。
確定申告に向かない人
「スマホでちまちま作業するよりも、書類に文字を書くほうが楽!」と感じる人は、確定申告はやめておいたほうが無難です。
ほかにもこんな人は、ワンストップ特例制度を使える場合は使いましょう。
マイナンバーカードやリーダー機能付きのスマホを持っていないと、確定申告をスマホ1台で完了させることはできません。
スマホで確定申告書を作って、印刷して郵送することはできますが、 それならワンストップ特例制度のほうが簡単ですよね。
まとめ
ふるさと納税をした年度に、ワンストップ特例制度を使うか、確定申告をするか、どちらが簡単かを考えてみました。
私は確定申告が楽だと感じたので、来年以降も続けるつもりです。
ワンストップ特例の場合、マイナンバーカードをコンビニでコピーしなければならないのが、本当に面倒に感じました。
自宅にコピー機があって、事務作業を苦に思わない人なら、ワンストップ特例制度を利用すると簡単です。
自分に合った方法で、賢くふるさと納税を活用していきましょう。